朝早くから片道約2時間の道のりを通うのですが、途中の原木(ばらき)という集落の外れで、「なお」という名のおばあさんが餅を売っていたそうです。
頼朝は毎日そこに寄り、おばあさんの餅を食べながら話をするのが日課になりました。
頼朝は「うまいうまい」と喜んで餅を食べ、おばあさんのことを乳母のように慕い、おばあさんも頼朝のことを孫のようにかわいがったといいます。
おばあさんがわざわざ頼朝の所まで餅を届けに来てくれることもありました。
百日の願掛けが終わった後に頼朝は挙兵し、やがて天下の実権を握ることになりました。
頼朝は配下の武士に伊豆まで行っておばあさんを迎えてくるよう指示し、健在だったおばあさんは頼朝と再会し、互いに喜びます。
頼朝はおばあさんの願いにより、原木に「成願寺」を建立したそうです。
その後おばあさんは仏道に帰依し念仏三昧の日々を送り、平穏に暮らしたといいます。
成願寺はおばあさんの木像とともに現在も残っています。
新着記事