江戸時代の逸話集『明良洪範』に載っている赤穂浪士に関する逸話を紹介します。
討ち入りした47士の外に、小島喜兵衛という浪士がいました。
大石内蔵助と深く談じて、大坂で暮らしながら江戸行きには必ず同道すると時を待っていましたが、やがて貯えも尽き日々の暮らしに困窮するようになります。
妻も夫の志を信じてその暮らしをその暮らしを支えていましたが、差替えの大小も売り払い、大小の切羽(刀の金具)も売り払うなど文字通り切羽詰まる状態となってしまった喜兵衛は、妻を外出に遣わし、身の回りを片付けた後自害を図ったのです。
しかし喉笛を切り損じ死にかねているところに妻が帰ってきます。
夫の様子を見てもはや助からないと悟った妻は、夫を介錯して自らも自害して果てたのでした。
この妻は大野九郎兵衛の姪であったとされ、叔父に比べて賢女であったと評されたそうです。
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